読書

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【011】雪の鉄樹/遠田潤子

  • 2019.09.22

遠田潤子という作家をご存じだろうか? ドストエフエフスキーや森鴎外の作品世界の「理不尽な何か」に惹かれて創作活動を始めたというだけあり、遠田潤子作品全体に共通しているのは「不条理」な世界。簡単にいうならば逆境をバネにする主人公たちが描かれることが多い。不条理な日常描写が秀逸で、その不条理さに嫌悪を覚えつつも読者たちは許容していく。なんでこんなに辛い思いをしなければいけないんだろうと主人公を思い、共 […]

【010】チェーン・ポイズン 本多孝好

  • 2019.08.30

【010】チェーン・ポイズン 本多孝好 =あらすじ= 「本当に死ぬ気なら、1年待ちませんか?1年頑張ったご褒美を差し上げます」 一年我慢すれば何の苦痛もない、煩わしさもない、一瞬で楽に眠るように死ねる手段をくれるとその人は言った。死への憧れを抱いていた 「私」にとって、それは決して悪い取引ではないように思われた。 人気絶頂のバイオリニスト如月俊、陰惨な事件の被害者家族である持田和夫、三十代のOL高 […]

【009】むらさきのスカートの女 今村夏子

  • 2019.08.21

【009】むらさきのスカートの女 今村夏子 手前味噌な自慢になるが、今村夏子が芥川賞をとるだろうと3年ぐらい前から予言していた。 ようやく本作で受賞に至ったが、これまでも「こちらあみ子」や「あひる」や「星の子」「父と私の桜尾通り商店街」など良作を連発してきている。 純文学なんでしょ? って思われがちだが、一筋縄ではいかない。 そんな生易しいものではない。 正直、みぞみぞすることの連続なのだ。 ゾワ […]

大人の夏読書 夏休みに読みたいオススメ24冊

  • 2019.08.06

夏といえば夏休み。夏休みは何もこどもだけのものではない。大人にだって夏休みはある。夏で連想するものは「祭」「海」「花火」「フェス」そして「宿題」。夏休みの宿題といえば自由研究と読書感想文と相場は決まっている。読書感想文で無理やり読まされた夏休み? あの夏以来、読書なんてしてない!っていう大人たちもいるのでは? あかんあかんいかんいかん。今こそ、大人の夏読書。夏休みに読みたいオススメ24冊をご紹介し […]

2019上半期小説ベスト10

  • 2019.07.02

まずはじめに断っておきます。 最近読めてません。 一時期は憑かれたかのように月に10冊~15冊平気で読んでましたが、最近は5~6冊です。 したがって上半期のベストセレクションと謳ってみたところで、分母は小さいです。相当。 それでもなるべく新作っぽいものを読んだつもりではあります。 後悔と真実の色/貫井徳郎 以外は比較的新しいものが選出されているはずです。 2019上半期小説ベスト10(順不同) せ […]

映画化して欲しい原作ストーリー

  • 2019.05.09

本屋で本以外を眺めるってのもなかなか難しいんだけど、 本屋で本を眺めていると「映画化決定」などと帯によく出ているじゃないですか。 映画の原作は読む派?読まない派?とはよくある質問だが、 今回は映画化したら面白いんじゃないのこの小説、ってのをプレゼンしてみたい。 この世にゃまだまだ面白い話が転がっているんですよ。 ぜひ映画化しちゃって欲しいですね。

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