【006】モーターサイクルダイアリーズ【おすす名画】

【006】モーターサイクルダイアリーズ【おすす名画】

モーターサイクル・ダイアリーズ 通常版 [DVD]

革命家の若かりし日々のバイク二人旅の模様を綴った映画。ロードムービー、青春映画、あるいはドキュメンタリータッチとさまざまな捉え方ができると思うが、この映画の本質は南米の自然、南米の風景、前半部での美しい自然、後半で描かれる過酷な現実、つまり「南米大陸」を映した素晴らしい映画だと思う。前半部はあまりにも美しすぎた。マチャピチュ遺跡やアマゾン、アンデスの雪山など、南米独特の風景が印象深い。表向きの物語は、冒険好きな男ふたりの珍道中に映る。未開の地ともいえそうな土地をモーターサイクルで訪れる。過酷な道も乗り越え、街から街へ。また、人から人へとさまざま出会いを繰り返し、南米の文明史を振り返るような作りになっている。ゲバラ青年がこの旅で見たこと、感じたことが、のちに革命家となる彼を作り上げているといっても過言ではないだろう。

チェ・ゲバラのルーツを探るという意味では恰好の素材ではある。しかし、これがたとえ主人公がゲバラではなかったとしても、自分も最後まで興味を持って観ることができたと思っている。それだけ、力のある映画だった。

アルゼンチンからチリ、ペルーを経てベネズエラへ。モーターサイクルは途中で故障、ほのかなロマンスもありつつ、物語の核となっていくハンセン氏病患者たちとの触れ合いを経験する。

旅は人を変える、とは言う。
若くして1万2000キロもの旅に出るなんて、やはり非凡すぎる。

2017.10.22

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