[005]シー・ユー・アゲイン雰囲気/尾藤イサオ

[005]シー・ユー・アゲイン雰囲気/尾藤イサオ

[005]シー・ユー・アゲイン雰囲気/尾藤イサオ

アルバム紹介と題しておきながら5番目にして早くもシングル曲をチョイス。
尾藤イサオのシー・ユー・アゲイン雰囲気はCD化されておらず、
ドーナッツ盤でしか存在していない。

カップリングの「彼女はムービンオン」をオープニング曲に、
表題の「シー・ユー・アゲイン雰囲気」をエンディング曲に、
森田芳光監督の映画「の・ようなもの」に使用された。

映画をご覧になった方ならばわかると思うのだが、
群像映画のエンディングを飾るにふさわしい名曲なのだ。
この曲があるからあの映画が成り立ち、
またあの映画があるからこの名曲がいきる。

メロディを作る浜田金吾氏は、多数の名だたる歌手たちに楽曲提供をしてきた。
しかし、浜田氏といえばコレだよね、
といえるマスターピースはどれかといわれると、まごまごしてしまう。
が、自分ならば迷わず尾藤イサオの「シー・ユー・アゲイン雰囲気」と答える。
むしろこの曲を生み出しただけですごい。傑作だと思う。それぐらいいい。

尾藤イサオのボーカルがいいのは言うまでもない。味のある声だ。

森田監督がタリモ名義で書いている歌詞もまた、いい。
「~さびしくないさ」と唄う心情は、
きっと寂しいの裏返しであろうと思う。
それゆえに、寂しさも切なさも、
メロディと相まってグっとくるのだ。
なんとなくの雰囲気、なんとなくの雰囲気と、
バイバイしちゃったあとの寂しさとでも言おうか。
南の風でフェイドアウトしてしまったムード。
その名残、哀愁が、クソほど詰まっている。

isao

2018.08.24

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