【005】無伴奏【おすす名画】

【005】無伴奏【おすす名画】

【005】無伴奏

無伴奏 [DVD]

舞台は学生運動の盛んな1969年。直木賞作家・小池真理子の半自伝的原作。
高校3年生の野間響子は、親友と制服廃止闘争委員会を結成し、
革命を訴えシュプレヒコールをあげる日々をおくりながらも、実はベトナムにも安保にも沖縄にも強い想いがあるわけではなく、学園闘争を真似しているだけの自分に嫌気がさしていた。
そんなある日、響子は、親友に連れられて入ったバロック喫茶「無伴奏」で、
どこか捉えどころのない大学生・渉と、渉の親友・祐之介、祐之介の恋人・エマの3人に出会う。
「無伴奏」で会って話をするうちに、いつしか響子は渉に惹かれて行く。

主演の成海璃子が体当たりの濡れ場演技を披露。
行き場のない青春の浮遊感と退屈さ加減、退廃的な空気を、
一歩間違えれば無駄と言われる長回しでうまく表現している。

地元宮城では、
頭の一女、顔の二女、体の三女という言い伝え(?)があるが、
その三女が舞台となっている。(小池真理子の出身校)
その三女の制服を思い浮かべながらも、
制服撤廃のシュプレヒコールを聞くのも不思議なものだ。

ただ背伸びをしたい時期だから、
相手は誰でもよかったと思うんだ。恋愛の。
でも、
ラブストーリー的なくだりには興ざめしてしまうし、
火曜サスペンス的なくだりにもげんなりしてしまうが、
1969年ファッションに身をつつむ成海璃子がかわいい。

それだけでも一見の価値ありとか、言い切ってみる。

2017.07.11

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