1998年1月の東京の大雪

1998年1月の東京の大雪

1998年1月の東京の大雪。
なんのことだとお思いだろうが、1998年1月8日、9日に関東が大雪に見舞われたのを私はロンドンのホテルで知った。ロンドンで見たニュース番組で日本の都心が大雪だと報じていたのだ。字幕は英語ながらも流れてくる言語が日本語で、とても親近感を持ってテレビにかぶりついた記憶がある。だからこそ鮮明に覚えている。

その日付がいつのことだったかと調べたら1月8日、9日だという。

22年前にロンドンに滞在していた時のことを思い出すにはいいきっかけになりそうだ。

あの年のロンドンは街のいたるところに映画タイタニックの看板があり、街を行き交うロンドンっこは音楽ユニットのシャンプーのようなパンキッシュないで立ちだったような偏った記憶がある。そうだあくまで偏った記憶なのだ。ミュージカルのレミゼラブルが大盛況で、サッカーチームのチェルシーの監督はルート・フリットが選手兼監督を務めていて、ヴァージンアトランティック航空が健在で飛行機の中でメン・イン・ブラックを観たというのだけはどうやら事実だ。

キングズクロス駅の近くにあるホテルに二週間ほど滞在していただろうか。わびしいパンだけのホテルの朝食に相場以上のチップを払って、街角でタバコを吸えばタバコをねだられ、夜はパブでビールを飲んではどこで美味しいメシにありつけるかを考えるような毎日だった。ロンドンで暮らしたい、と本気で思っていた。ロンドンへ行くまでわ。

・・・続く

ads by google