4年後に、また

4年後に、また

4年に1度のワールドカップが終わった。
終わりであると同時に、新たな戦いの始まりともいえる。
「次」に向けた戦いだ。

さて、
今回のワールドカップは偉大なるフットボーラーのための出来すぎたシナリオではなかったか? メッシ。代表では戦績をのこせずにいた35歳が、ようやくカップを手にする。しかも36年ぶりのアルゼンチン優勝。マラドーナの偉業に並ぶ。そして得点王にはエムバペ、。フランスの若きエースがしっかりと世界のエースの座をバトンタッチされたような図式。決勝は素晴らしかった。アルゼンチンの奇策で前半で勝負ありかと思わせる2-0のスコア。奇策もそうだが、アルゼンチンは球際が圧倒的に強く、刈るスピードとそこからの速攻がうまくハマっていた。フランスにはなすすべがなかった。しかしデシャン監督は周囲がざわつくような交代策を連発させる。功を奏した?とは考えにくいが短時間で追いつく。…いやはやフットボールの面白さが凝縮されていた決勝だったように思う。

素晴らしい大会だった。サウジアラビアがアルゼンチンを下し、90年イタリアW杯のカメルーン旋風を想起させる番狂わせが象徴する。ダークホースの台頭。モロッコ旋風。アジアの躍進。日本が強豪国を破り1位通過、韓国、オーストラリアと3か国の決勝トーナメント進出。トレンドは組織的守備からのカウンターかと思わせつつも、個で打開するチームがギリギリのところで勝利をもぎとる。フットボールの現在進行形が凝縮されていた。

フットボール戦術だけをみても素晴らしい大会だった。

「次」に向けた戦いはおのおののピッチで、すでに始まっている。
4年後を迎えるための戦い。

明日さえ不透明な「今」を戦う方々や、
穏やかな時の流れに身をまかせている彼ら、
自分や仲間や家族たちの4年後を思い描く。
4年後にまた会いましょう。会えますよ。きっと。
それまでおのおののピッチで戦い抜きましょう。