おすす名画

いまや北海道を代表するラッパーの某D君が、その昔、当時ブログでやっていた「ヒビキおすすめ映画」をチェックしてくれて、結構見てたよと言ってくれていたことに感謝の意を込めて「おすす名画」として復活です。不定期でおすすめ映画をご紹介していこうと思います。


 

【005】無伴奏

無伴奏 [DVD]

舞台は学生運動の盛んな1969年。直木賞作家・小池真理子の半自伝的原作。
高校3年生の野間響子は、親友と制服廃止闘争委員会を結成し、
革命を訴えシュプレヒコールをあげる日々をおくりながらも、実はベトナムにも安保にも沖縄にも強い想いがあるわけではなく、学園闘争を真似しているだけの自分に嫌気がさしていた。
そんなある日、響子は、親友に連れられて入ったバロック喫茶「無伴奏」で、
どこか捉えどころのない大学生・渉と、渉の親友・祐之介、祐之介の恋人・エマの3人に出会う。
「無伴奏」で会って話をするうちに、いつしか響子は渉に惹かれて行く。

主演の成海璃子が体当たりの濡れ場演技を披露。
行き場のない青春の浮遊感と退屈さ加減、退廃的な空気を、
一歩間違えれば無駄と言われる長回しでうまく表現している。

地元宮城では、
頭の一女、顔の二女、体の三女という言い伝え(?)があるが、
その三女が舞台となっている。(小池真理子の出身校)
その三女の制服を思い浮かべながらも、
制服撤廃のシュプレヒコールを聞くのも不思議なものだ。

ただ背伸びをしたい時期だから、
相手は誰でもよかったと思うんだ。恋愛の。
でも、
ラブストーリー的なくだりには興ざめしてしまうし、
火曜サスペンス的なくだりにもげんなりしてしまうが、
1969年ファッションに身をつつむ成海璃子がかわいい。

それだけでも一見の価値ありとか、言い切ってみる。

2017.07.11


 

【004】ぼくらの七日間戦争

ぼくらの七日間戦争 [DVD]

原作に衝撃を受けたのは小学生ぐらいの頃だっただろうか。映画としても中学時代には見ていたように記憶している。久しぶりに見返してみて、声を大にして言いたいのは主演の宮沢りえがぶっとびな勢いで可愛いということ。この映画はそれに尽きる、と言ってしまうのはいささか乱暴か。若かりし賀来千香子もイケている。・・・そういうことではなく、内容に触れてみよう。

厳しすぎる校則、教師による体罰、子供に無関心な親、また親と教師の確執、大人と子供。1988年公開の映画だが、時を経ても教育現場においては普遍的な問題なのではないかという気もする。公開当時は、反抗心を助長するとかで物議を醸した。

Amazonレビューによるあらすじは以下。

厳しい校則や親からのお小言に嫌気がさした中学1年生11人が、廃工場に立てこもって大人たちに宣戦布告する。管理教育のひずみを突いて、80年代少年少女たちのバイブルとなった、宗田理の同名小説が完全映画化された。これがデビュー作となった、菅原比呂志(現・浩志)監督。宮沢りえをはじめとする少年少女たち1人1人の個性や感性を巧みにすくいとりながら、ジュヴナイル感覚に満ち満ちた集団エンタテインメント劇を描出することに成功している。大人たちの描き方が紋切り型ではあるが、子供たちからの視点でとらえていけば、さほど違和感は感じないだろう。音楽は、小室哲哉が担当。TMネットワークの歌う主題歌も、作品世界に見事にはまっている。

ジュヴナイル。確かによけいな説明はないし、反抗する理由はわかりやすく描かれている。個人的には、作曲小室哲哉、作詞小室みつ子のTM NETWORKが歌うSEVEN DAYS WARが絶妙なタイミングで流れるシーンがクライマックス。「僕たちの場所この手でつかむまで」「僕たちの場所誰にもゆずれない」そんな思いを胸に大人たちと戦い、そしてそれは「ただ素直に生きるために」「うつむかず生きるために」必要なことなのだと教えてくれる。

ぼくらの七日間戦争 角川映画 THE BEST [DVD]

2017.01.12


 

【003】ハングオーバー[シリーズ]

ハングオーバー! 消えた花婿と史上最悪の二日酔い (字幕版)

ハングオーバー!!史上最悪の二日酔い、国境を越える (字幕版)

ハングオーバー!!! 最後の反省会(字幕版)

「朝起きたら酷い二日酔いで事態がめちゃくちゃ」という1作目が大ヒット。なんでこんなことになったのか「謎」と「記憶」を紐解いていく笑いあり涙ありのエンターテイメント作品。2作目は国境を越えて同じように「悪夢」は繰り返されるが、1作目よりもよりスケールが大きくなり、人間模様やキャラクター描写も強まった。1作目と2作目でぶっ飛んだ内容突っ走ってくれてたのに、3作目の最終作品では期待大きく裏切る。「記憶」はなくならないし「過去」をさかのぼらない。

マンネリをあえて回避したのかも知れない。シリーズ作品で路線変更というのもあまり例をみない。そうでもないか?

二日酔いの状態で自分達が何をしたのか、その謎を解いていくのが、この映画のスタイルだったのに3作目は単なるロードムービーではないかという批判もあるようだが、1と2で大いに夢中になったのならば3も必ず観たほうがよい。アランとチャウ、フィルとスチュにダグ。キャラ立ちもしっかりしていて、路線が変わろうとも3作品通してキャラクターのファンになっていることは間違いない。

それでも、やはり1や2での想像を絶する、予想を裏切る、考えもつかない事態はどんなミステリーよりも驚かされた。酔っぱらいすぎた翌日に自分の顔面に入れ墨彫ってあったらびっくりでしょ?

お酒はほどほどにね、という戒めも込めてとてもお気に入りの作品たちなのである。

2016.08.21


 

【002】百円の恋[2014年]

百円の恋 [DVD]

三十歳過ぎたあたりから「自分には何もない」ということに気づき、何かに打ち込んだり夢中になったりと、自分磨きに精を出し始める人は少なくない。今まで何も成し遂げられなかったであろう人間が、ふと何かを成し遂げたくなる。その理由に明確なものは必要ない。

資格取得の勉強に励んだり、語学教室へ通ってみたり、ホットヨガやジム通いに熱心になってみたり、マラソンでサブフォーを目指したり、バンドを組んだり楽器を始めたり、格闘技を始めてみたり。

これは、「こじらせ系」でも「中二病要素」もないし、主人公はボクシングに打ち込むことになるがロッキーやミリオンダラー・ベイビーにあるようなサクセスストーリーものでもない。

主演の安藤サクラの好演にばかり評価が集まるが(もちろん安藤サクラの好演なくして本作品は成立しないが)、クソな環境で、クソな人間たちに囲ま
れていると、クソなことしか起きないということを痛々しいほどに描いている点が興味深い。主人公が働くことになる100円ショップには、目標や目的を持っていない人間ばかりが集まっている。同僚、店長、本社の人。本社の人間が「ほんとロクなヤツがいねぇな」と何度も口にするのだが、口にしている本社の人間も含めて。本当にロクなヤツがいない。

そんなロクでもない環境で、主人公含めたロクでもない男女がいびつに恋をして、何か=ボクシングに打ち込んでいくという話だ。

個人的には、ボクサーの男が風邪をひいたイチコに肉を焼いて食わせるそのシーンで、遅れてきた春とでもいおうか人の温かさに触れたイチコの心情の描写に、この映画の肝を見た気がしている。

人生において、恋であったり、ボクシングであったり、何かに夢中になったりするのに、遅すぎるということはないのかも知れない。

【あらすじ】
32歳の一子は実家にひきこもり、自堕落な日々を送っていた。ある日離婚し、子連れで実家に帰ってきた妹の二三子と同居をはじめるが折り合いが悪くなり、しょうがなく家を出て一人暮らしを始める。夜な夜な買い食いしていた百円ショップで深夜労働にありつくが、そこは底辺の人間たちの巣窟だった。心に問題を抱えた店員たちとの生活を送る一子は、帰り道にあるボクシングジムで、一人でストイックに練習する中年ボクサー・狩野(新井浩文)を覗き見することが唯一の楽しみとなっていた。ある夜、そのボクサー・祐二が百円ショップに客としてやってくる。狩野がバナナを忘れていったことをきっかけに2人は距離を縮めていく。なんとなく一緒に住み始め、体を重ねるうちに、一子の中で何かが変わり始める。
一方、祐二はボクサーとしての定年を前に最後の試合に臨み惨敗を喫し自暴自棄になって家を出ていってしまう。残された一子は、なぜか自らボクシングを始める。痣だらけになりながらもそこに仄かな希望を見い出していく―。

2016.05.02

【キャスト】
安藤サクラ 新井浩文
稲川実代子 早織 宇野祥平 坂田聡 沖田裕樹
吉村界人 松浦慎一郎 伊藤洋三郎 重松収 根岸季衣

【スタッフ】
監督:武正晴
脚本:足立紳(「第一回松田優作賞」グランプリ受賞作)
音楽:海田庄吾
主題歌:クリープハイプ「百八円の恋」(ユニバーサルミュージック)
企画協力:セントラル・アーツ オフィス作 ブレス
製作プロダクション:スタジオブルー
製作:東映ビデオ


 

【001】ザ・コミットメンツ[1991年]

ザ・コミットメンツ [DVD]

こじらせてもいいじゃないか。大いにこじらせるべきだ。夢を見るって素敵じゃないか。音楽で一旗揚げようという、その舞台がアイルランドのダブリンという街だからこそ若者たちの熱がうまく描けているような気もする。音楽好きにはたまらない、鑑賞後にはソウルバンドを結成したくなっていることは間違いない。感情移入がうまければ鑑賞中に自身がバンドのメンバーになっている可能性もある(個人差あり)。とにかくストーリーよりも全編を通してそのやりとり、演奏シーンがすこぶるよい。実在したバンドのドキュメンタリーかと勘違いするほどに。また、大所帯(人数は関係ないか)のバンドにありがちなトラブルなどで崩壊していくさまが実に現実的でほろ苦い。エンディングがハッピーエンドではないところが、鑑賞後、さらに「こじらせ」たくなってしまう。

[あらすじ]
アイルランドのダブリンを舞台にソウル・バンドを作りたいと夢見る主人公ジミー(ロバート・アーキンス)が、新聞広告で仲間を募集しオーディションを繰り返し「ザ・コミットメンツ」を結成する。バンドの人気は徐々に高まっていくが、同時に内輪もめも多くなっていく。音楽センスには定評のあるアラン・パーカー監督ならではの音楽青春群像映画の秀作。バンドの結成から解散までを、インタビューによる回想形式や、鮮やかな編集の妙を駆使して描いている。

ザ・コミットメンツのサントラ盤も秀逸。

The Commitments: Original Motion Picture Soundtrack

2016.04.12

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