【008】Y 佐藤正午
- 2018.10.16
- 読書

【008】Y 佐藤正午
![]() |
あらすじ
アルファベットのYのように人生は右と左へ分かれていった―。
貸金庫に預けられていた、一枚のフロッピー・ディスク。
その奇妙な「物語」を読むうちに、
私は彼の「人生」に引き込まれていった。
これは本当の話なのだろうか?
「時間(とき)」を超える究極のラヴ・ストーリー。
数ある佐藤正午作品の中でも、特に「Y」が好き。
なぜなら大好物である「ライトなSF」、そう、
タイムトラベルものなのだ。
たいていのタイムトラベルものは主人公が自ら時間軸をこえる。
しかし、この「Y」に関しては、違う。
主人公は、検証する。親友だと名乗る知らない男から手にした「物語」を。
つまり、タイムトラベルしている親友は、1回目の人生で主人公と親友だった。
2回目の人生では主人公と親友は知り合っていない。おわかりでしょうか。
タイムパラドックスがなせるわざ。
主人公が、知らない男、自称親友である男からの連絡で、
ひょっとしたらあったであろう「Y」の字のようにに別れたもう一つの人生を、
探っていくという物語なのだ。
主人公がタイムスリップしない、という点が他とは違い、面白い。
しかし、タイムトラベルしてこれから起きうる出来事にうまく対処しても、
決してそれがいい人生に向かうとは限らないわけですよ。
えてして、悲しいことのほうが多くて。
結論としてみれば、運命にさからっちゃーいかん、ってところでしょうか。
2018.10.16
More from my site
-
前の記事
長渕剛のオレ的ベストソングス20 2018.10.12
-
次の記事
私が愛したリボルバーを日本映画で配役してみる 2018.10.18