「なでしこでわしも考えた」たまには熱くサッカー談義

「なでしこでわしも考えた」たまには熱くサッカー談義

なでしこJAPANのオリンピック出場に黄色信号が灯っている。詳しい話はスポーツ紙に譲るとしても、世界で戦えてきた彼女たちに何が起きているのか。とても興味深い側面があると思って見ているのでちょっとだけその側面に触れてみたい。

なでしこJAPANは近年世界の舞台で結果を残し、ワールドカップ優勝・準優勝やオリンピックでの銀メダルなど大活躍している。

しかし、優勝だ準優勝だと結果を残しているがチームの選手の顔ぶれがあまり変わっていない。長期政権の弊害とばっさり切り捨ててしまうのも極論かも知れないが、世代交代が進まなかったことが一番の問題な気がしている。

「若手が育っていない」だとか従来の選手を「越えてこない」などという理由で、招集されていない。あるいはテストマッチで試されることがない。そこが非常に問題なのだと思う。

女子に限った話でもないし、ナショナルチームに限った話でもない。あるいはサッカーだけにとどまらず、会社・組織・企業でもこの話はあてはまると思う。

どうでもいい試合(どうでもいい仕事)があると、本当に真新しい人員だけを揃えてテストマッチに挑んでしまいがちだ。この場合、軸となる選手がいないことにより全員が輝けない。いい選手もいかされない。結果、輝かしい戦績をのこしたメンバーたちのレジェンド化に拍車がかかる。幻想はより強固なものとなる。さらに、彼女の(彼の)これまでの実績や貢献度は計り知れないやっぱ代わりの選手なんかいないね、という気持ちが強くなるのだ。それは佐々木監督や企業でいうところの上司にあたる立場の人間、そして我々テレビ観戦している側も。

かといっても重要な試合となると若手は入る余地もなく、使う側も大事なヤマだからヘマできないのでいつもの磐石な体制でのぞんで勝ち試合を拾いがち。その繰り返しで今に至っているのではないだろうか。

日本サッカーは育成がうまいイメージはあるが、世代融合は下手なのかなという印象しかない。

これは男子サッカーにも女子サッカーにもいえることなのだが、15年の東アジアカップでの布陣がまさに酷かった。まあ、男子は海外在籍選手を呼べないなどしがらみもあったにせよ、やはり軸となる選手はチームに合流させるべきであって、新戦力だけを集めて試合させてみましたけど勝てませんでした、だけでは何も残らない。残ったのは「あいつらじゃダメなんだね」という記憶だけだ。

ワールドカップ後で過密日程だったとは思うが東アジアカップではせめて主軸となる選手数名は呼ぶべきだった。

若手が育ってないとは思わない。若手をうまく使えていないだけだ。そこは見誤ってはいけないと思う。そこは使う側の問題だったりする。チャレンジする勇気がたりていないのだ。

と、なでしこJAPANの話でいろいろ熱く書きなぐってみたものの、サッカーをしているのは選手たちであって、監督がしているわけではない。勝てないのは監督だけの責任でもなかったりする。もちろん勝って欲しいし応援はしている。奇跡が起きてまたレジェンド化するならレジェンド化すればいいと思っている。

ただ、もしオリンピックへ出場できても忘れるべきではない。
我々は、なでしこJAPANからとても大事なことを学べている。

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